国 防
2010/07/16

国防

 

現在、中国の安全をめぐる環境は全般的に見れば良好である。中国は小康社会(ややゆとりのある社会)の全面的建設と調和のとれた社会主義社会の構築に力を入れており、経済の発展、政治の安定、民族の団結、社会の進歩の局面が強固なものになり、総合的国力が著しく高められ、国際的地位も向上し、国際的影響力も大きくなっている。中国と主要な大国との実務的協力は引き続き発展しており、周辺諸国との善隣友好も絶えず深まっており、広範な発展途上国との全面的交流もさらに発展し、各国とともに互恵共栄を実現する枠組みが次第に形成されている。中国政府は台湾海峡両岸の関係を改善し、それを発展させるうえで一連の重要な措置をとり、両岸関係の情勢が平和、安定の方向に向かって発展することを促している。

 

しかし、中国の安全は依然として無視することのできない挑戦に直面している。国内および国際的要素の連動性が大きくなり、伝統的安全と非伝統的安全の要素が混在し、国の安全を守る難度はさらに大きくなっている。「台湾独立」分裂勢力およびその分裂活動に反対し、それを阻止する闘いは複雑で厳しいものとなっている。台湾当局は過激な「台湾独立」路線を実行し、いわゆる「立憲政治の改造」を通して「台湾の法理独立」を図ることを加速させ、中国の主権と領土保全、台湾海峡およびアジア太平洋地域の平和の安定に大きな脅威を及ぼしている。アメリカは「一つの中国」の政策を堅持し、中米間の3つの共同コミュニケを順守し、「台湾独立」に反対する立場を何度も再確認している。しかし、アメリカは台湾に対して進んだ軍事装備を引き続き売却し、台湾との軍事的連係と往来を強化している。少数の国は「中国脅威論」を煽り立て、中国に対する戦略的防備とけん制を強化することを図っている。周辺地域の複雑かつ敏感な歴史と現実の問題は依然として中国の安全環境に影響を及ぼしている。

 

国防政策

 

中国は平和発展の道を堅持し、防御的な国防政策を実行している。中国の国防は国の安全、統一を守り、小康社会を全面的に建設するという目標の実現を確保する重要な保障である。強大かつ強固な国防を確立することは中国の現代化建設の戦略的任務である。

 

国のトータルな計画に基づいて、国防と軍隊の現代化建設は三つの段階に分けて発展戦略を実施し、2010年までに確固とした基礎を築き、2020年前後に、比較的大きな発展をなし遂げ、21世紀中葉までに情報化された軍隊を建設し、情報化戦争において勝利を勝ち取る戦略的目標を基本的に実現する。

 

中国の国防政策は、主に次のような内容である。

 

――国の安全、統一を守り、国の発展の利益を保障する。侵略を防ぎ、これに抵抗し、国の領海、領空と国境が侵犯されないことを確保する。「台湾独立」分裂勢力とその活動に反対し、これを抑止し、いかなる形のテロリズム、分裂主義、過激主義をも防ぎ止め、これに打撃を与える。

 

――国防建設と経済建設の協調的発展の方針を堅持し、国防と軍隊の現代化建設を経済社会の発展システムの中に溶け込ませ、国防と軍隊の現代化の進展を国の現代化の進展に合致させるようにする。

 

――情報化を主要なベンチマークとする軍隊の質の建設を強化する。

 

――積極的防御の軍事戦略方針を貫徹する。

 

――自衛防御の核戦略を堅持する。中国の核戦略の根本的目標は他国からの中国に対する核兵器の使用または使用の威嚇を抑止することである。中国は終始、いかなる時期、いかなる状況の下でも、核先制不使用の政策をとり、核非保有国と非核地帯に対し核兵器の使用または使用の威嚇を行わないことを無条件で公約しており、核兵器の全面禁止と完全廃棄を主張している。中国の核の力は中央軍事委員会が直接指揮することになっている。中国は核の力の発展という面では極めて抑制的であり、過去においていかなる国とも核軍備競争を行ってはおらず、将来においてもそうすることはない。

 

――国の平和的発展にとって有利な安全の環境を作り出す。平和共存五原則を踏まえて、外国との軍事交流を展開し、非同盟、非対抗の、第三者に矛先を向けることのない軍事協力関係を発展させる。国際安全協力に参与し、主要な大国と周辺諸国との戦略的協力と話し合いを強化し、二国間または多国間の合同軍事演習を展開し、公平で効果的な集団安全メカニズムと軍事の相互信頼メカニズムの確立を促し、共同で紛争と戦争を防止する。公正、合理、全面、均衡の原則に従って、効果的な軍縮と軍備抑制を実行することを支持し、核拡散に反対し、国際核軍縮の進展を推し進める。国連憲章の趣旨と原則を守り、国際義務を履行し、国連の平和維持活動、国際反テロ協力と災害救援活動に参加し、世界と地域の平和安定を維持するために積極的な役割を果たす。

 

国防力

 

中国の国防力は中国人民解放軍現役部隊、予備役部隊、武装警察部隊と民兵という4つの部分から構成されている。そのうち、現役部隊は国の常備軍で、陸軍、海軍、空軍、第2砲兵隊、軍隊の大学学校、国防科学技術研究機構からなり、7大軍区に分かれ、主に防衛戦闘任務を担い、必要な際には法律の規定に基づいて社会秩序の維持に協力する。予備役部隊は、平時は規定に従って訓練を行い、必要な際には法律の規定に基づいて社会秩序の維持に協力し、戦時は国の発布する動員令に基づいて現役部隊に変わる。中国人民解放軍現役部隊と予備役部隊は中央軍事委員会の指導と指揮を受け、中央軍事委員会は総参謀部、総政治部、総後勤部、総装備部を通じて全軍に対し戦闘指揮と建設指導を行う。

 

中国人民武装警察部隊は19826月に発足し、国内警備部隊を主とし、武装警察の編制に組み入れられて公安部門に管理される公安国境警備部隊、消防部隊、警備部隊および武装警察の編制に組み入れられて国務院の関係業務部門と武装警察の二重の指導を受ける水力発電部隊、交通部隊、金採掘部隊、森林部隊が含まれている。その基本的使命は、国の主権と尊厳を守り、社会治安を維持し、党と政府の指導機関、国の重要な目標および人民の生命財産の安全を守ることである。武装警察部隊は中華人民共和国兵役法、中国人民解放軍の条令、条例および関連規則制度を実行し、中国人民解放軍と同等の待遇を享受する。武装警察部隊は国務院の編制に属し、国務院、中央軍事委員会の二重の指導を受ける。

 

民兵は現代の条件の下で人民戦争を行う基礎であり、総参謀部が主管する。民兵は軍事機関の指揮の下で、戦時は常備軍との合同作戦、独立作戦、常備軍の戦闘に対する戦闘勤務保障の提供および兵員補充などの任務を担い、平時は戦備勤務、災害救援、社会秩序維持などの任務を担う。民兵の活動は国務院、中央軍事委員会の指導の下で行われている。

 

現在、中国人民解放軍の現役部隊の規模は230万人である。中国は1985年、1997年、2003年にそれぞれ軍隊の定員を100万人、50万人、20万人削減することを公表した後、さらに2005年末現在、20万人の兵員削減の任務を完了した。

 

中国の陸軍機動作戦部隊には18の集団軍がある。海軍は北海、東海、南海の三つの艦隊を管轄している。空軍は瀋陽、北京、蘭州、済南、南京、広州、成都の7つの軍区の空軍を管轄している。軍区空軍は航空兵師団、地対空ミサイル師団(旅団、連隊)、高射砲旅団(連隊)、レーダー旅団(連隊)およびその他の保障部隊を管轄している。第2砲兵隊は中国の戦略ミサイル部隊で、大学卒以上の学歴のある兵員が82%を占める。武装警察部隊の規模は66万人である。毎日26万人余りの武装警察が交代で勤務している。現在、軍隊の大学と学校は68校あり、全軍には博士の学位を授与する権限のある部門が41、修士の学位を授与する権限のある部門が60ある。そのほか、全国には112校の地方の大学高等専門学校が国防学生の養成任務を担っている。

 

中国人民解放軍の4つの総部

 

総参謀長   陳炳徳

総政治部主任 李継耐

総後勤部部長 廖錫竜

総装備部部長 常万全

 

七大軍区

 

瀋陽軍区    司令員 張又侠  政治委員 黄献中

北京軍区    司令員 房峰輝  政治委員 符廷貴

蘭州軍区    司令員 王国生  政治委員 李長才

済南軍区    司令員 範長竜  政治委員 劉冬冬

南京軍区    司令員 趙克石  政治委員 陳国令

広州軍区    司令員 章沁生  政治委員 張陽

成都軍区    司令員 李世明  政治委員 張海陽

 

各軍兵種

 

海軍     司令員 呉勝利  政治委員 胡彦林

空軍     司令員 許其亮  政治委員 鄧昌友

第二砲兵隊   司令員 靖志遠  政治委員 彭小楓

武装警察部隊 司令員 呉双戦  政治委員 喩林祥

 

軍事大学学校

 

国防大学     長王喜斌 政治委員童世平

軍事科学院     長劉成軍 政治委員劉源

国防科学技術大学学  長温煕森 政治委員徐一天

 

国防費

 

中国政府は国防法と予算法に依拠して、国防の建設と経済の建設が協調的に発展するという方針に従い、国防の必要と国民経済の発展レベルにふさわしい国防費の投入額と投入方向を合理的に確定している。

 

中国の国防費は主に人員の生活費、訓練の維持費、装備費に支出されている。人員の生活費は将校、文官幹部、兵士、招聘人員の給与、保険、食事、衣服、福祉などの費用に支払われる。訓練の維持費は部隊の訓練、大学学校教育、プロジェクト施設の建設保守および日常消耗用品の支出に使用される。装備費は兵器装備の研究、実験、仕入れ、保守修理、輸送、備蓄などに使われる。国防費の保障範囲は現役部隊も含めば、民兵、予備役部隊も含む。さらに、一部の退役将校の福祉、軍人子女の教育、国の経済建設への支援などの社会的支出をもまかなっている。

 

中国の国防費の総額と軍人1人当たりの金額は、他の国、特に大国と比べるとまだかなり低い水準にある。

 

中国は国防費に対し厳しい財政配分制度を実行している。財政部は全人代が認可した中央予算に基づき、国防予算を総後勤部に送り返す。総後勤部は国から送り返された国防予算をふまえて、規定の手順によって各クラス、各部隊に実行するよう下達する。

 

総後勤部と各軍区(軍兵種)、軍団、師団(旅団)、連隊クラス部門には財務機構が設置され、国防費の支給保障と管理監督にあたっている。国と軍隊の会計監査機構は国防費予算およびその実施状況に対し厳格な監査監督を行っている

 

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