中日文化の違いを検討する書籍「漢魂と和魂--中日文化比較」
2014/07/24

 中国の比較文学者である王敏(ワンミン)さんは、2003年から法政大学国際日本学研究所の教授を務めているほか、日本華文文学ペンクラブの会長も務めるなど、日本で長年、日本や中日文化の研究を行っている。また、その豊富な経験を生かし、執筆活動も行っており、著書は150冊以上。同分野の研究における、数少ない専門家である王さんの著書は、日本だけでなく国際的にも大きな影響を及ぼしている。(文:高海寛・中日関係史学会副会長)

 今年5月、王さんは世界知識出版社から中国と日本の文化を比較検討した書籍「漢魂と和魂--中日文化比較」を出版した。中日文化の比較を行っている学者や研究者、中日文化に注目している人達にとって、参考の価値が大いにある一冊となっている。王さんは、中日文化研究の分野において、貴重な貢献を果たしている。

 中華文化というと、中華思想や精神、意識といった角度から研究を進めることが多く、中国や日本のみならず、国際的にも「漢魂」という言葉が使われるのはまれだ。一方、日本の民族的文化や精神、思想は、「和魂」、「大和魂」などと呼ばれる。「和魂」は日本の民族文化、思想、精神をポジティブに表す言葉である一方、「大和魂」は、極端な民族主義や軍国主義を秘めた日本文化をネガティブに表す言葉だ。

 同書は、ポジティブで、学術的な角度から「漢魂」と「和魂」を分析、比較し、その関連性なども論述している。日本には古代から、日本固有の精神を失わずに、中国の学問を消化・活用するべきであるという意味の「和魂漢才」という言葉があった。日本では中日文化を同じ位置に置くことはせず、両国の文化を平等に見ることもなかったのだ。一方、同書は、中国の魂と日本の魂を、同列に論じており、新たな視点、深さ、高さから見ることで、客観的で公平、かつ正確に両者を論じている。

 日本はどのような国で、日本人はどのような民族なのか、日本人はなぜ忍耐強いのか、なぜ島国色が強いのかなどが、多くの人が注目する話題になっている。しかし、これらの問題に関する知識は限られ、断片的な理解に頼り、本質を深く理解してはいない人が多いというのが現実だ。この点、同書は詳しい資料を豊富に提供しており、考えさせられる内容となっているため、読者は見識を広げる機会となる。

 日本と中国の文化や文化関係をめぐっては、多くの研究がなされてきたが、人々が十分に理解する域には達しておらず、理解しにくい部分があるのも確かだ。時が過ぎ、中国文化が長期にわたって日本に大きな影響を及ぼしてきたことは、日本で少しずつ忘れられ、特に、中日関係が冷え込んでいる時には、ないがしろにされやすくなってしまう。中日両国が文化の分野において、互いに手本にし、学び合う姿勢が今後も課題となっている。同書は、中日両国の国民が互いに理解、信頼し合うために、非常に有益な情報を提供している。

 同書をよく読むと、日本の文化シンボルや価値観を完全に西洋化することはできず、中華文化が長期にわたって与えてきた影響から完全に脱することも不可能であるという印象を持つだろう。伝統と東洋文化の発展は、中日両国の今後の共通の課題である。

 同書は、日本が実施している文化外交戦略の傾向も紹介している。そして、日本が「文化大国」になるための戦略目標を達成できるか、中日両国がいかに文化交流を通して相互理解を深めるかなどの課題について、読者が熟考できる内容になっている。

「人民網日本語版」2014年7月22日

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