立ちすくむ日系企業の対印投資 インフラなどが難題
2014/09/16

 インドのナレンドラ・モディ首相はこのほど日本を訪問し、日本の安倍晋三首相の歓待を受けた。両首脳は今月初め、日本からインドへの直接投資を今後5年で倍増させると発表した。「新華網」が伝えた。

 フランス通信社(AFP)の10日付の分析によると、インドには巨大な市場と安価な労働力があるが、日本企業は今という時間にインドに投資することに懸念を抱いている。その主な原因として、インドのインフラ設備の遅れ、税金をめぐる政策の変転、また一連の「先行者」たちがこの南アジアの国でつまずいたことが挙げられる。

 ▽懸念

 国内の出生率の低さや高齢化問題の進行に直面して、日本政府は企業に海外進出を奨励し、インドなどの新興市場を積極的に開拓している。

 AFPの分析によると、日本企業にとってインド市場には巨大な潜在力があるといえる。インド経済は安定的に成長し、中産階級が増加しているのだ。一連の日本企業はインドを利用して輸出センターを構築し、中東やアフリカなどのインド洋以西エリアの市場にコマを進めたいと考える。

 一部の日本企業は最近、対インド投資を承諾した。これには電子部品を製造する株式会社ニデックも含まれ、今後7~8年で10億ドル(1ドルは約107円)を投資するとしている。

 だが現時点では、対インド投資を行う日本企業は1千社ほどで、この数字は日本の対中国投資企業に比べると約5%に過ぎない。一連の日本企業はインド投資に際して懸念を抱き、あれこれと考えて動けなくなっている。

 その原因は何か。大和総研アジアリサーチ部門の児玉卓シニアエコノミストは、「インドのインフラ設備は非常に脆弱で、このことが製造と輸送のコストを増大させている。この問題が解決できなければ、インドへの投資が爆発的に増加することはない」と話す。

 鉄道、道路、その他のインフラが整っていないだけではない。びっくりするような税金とくるくる変わる経済政策も日本企業を後ずさりさせている。

 ▽転倒

 一連の日本企業はインド投資で失敗した。

 製薬会社の第一三共株式会社は2008年に46億ドルを投じてインド最大のジェネリック医薬品製造メーカーのランバクシーを買収したが、思いがけないことにアメリカ食品医薬品局が同社の医薬品は品質が基準を満たしていない懸念があるとして輸入を禁止したため、第一三共は巨額の損失を被り、同社を低額で売却することになった。

 第一三共だけではない。同じく医薬品メーカーのエーザイ株式会社も、09年にインドの経済特区に生産ラインと研究開発センターを設立した。佐々木小夜子執行役は、「2011年にインドの政策が変わり、医薬品メーカーが税金面の優遇措置を受けられなくなった。インドはさまざまなチャンスに満ちた市場だが、税金政策を予想することができない。インドの投資環境が改善されることを願う」と話す。

 自動車のスズキ株式会社はインドで約30年にわたって投資を行い、これまで何度も従業員とのトラブルを経験してきた。従業員は労働条件と待遇に不満があり、傘下のマルチ・スズキ・インディアの工場では12年に従業員と管理職との衝突事件が発生し、管理職1人が死亡し、警官を含む数十人が負傷するという事態に発展した。

 ▽行動

 こうした日本企業の懸念をうち消すため、インドのモディ首相は日本訪問中、日本のビジネス関係者との懇談に力を入れた。モディ首相は、インド政府が行政の審査手続きを簡素化し、インフラ建設を強化し、外資系企業のためによりよい投資環境を創出すると約束した。

 日本総研の熊谷章太郎研究員は、「世界中がモディ首相がインド経済振興の約束を果たせるかどうかに注目している。約束を履行し、経済を振興すれば、より多くの海外企業がインドに投資するようになる。人々はインドにたくさんの期待を寄せているが、期待だけに留まっている。なぜなら、まだ実際に存在する政策をみたことがない」と話す。

「人民網日本語版」2014年9月15日

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