日本の「産業競争力強化法案」 産業の新陳代謝を
2013/10/24

 日本政府はこのほど第185回臨時国会に「産業競争力強化法案」を提出した。税制優遇措置を通じて企業の再編を促し、過剰な生産力を消化して供給過剰を是正すると同時に、規制を緩和して経済を活性化し、需要を生み出すのが狙いだ。日本の茂木敏充経済産業大臣は記者会見で、産業の新陳代謝を高めて日本経済の再生を後押ししたいと述べ、今後5年間が「産業競争力強化」の集中的な実施段階になるとの見方を示した。人民日報が伝えた。

 需要の伸びが鈍化し、新興市場国の製造業が発展していることを背景に、日本の石油精製、電機、造船、鉄鋼、化学などの産業はいずれも世界的に供給過剰に陥っている。日本の内閣府がまとめた統計によると、今年4-6月の供給過剰は国内総生産(GDP)の1.5%に相当した。たとえば造船業の供給能力は2千万トンあるが、2012年の受注量は885万トンにとどまった。こうした供給過剰が激しい競争を生んでいる。

 液晶テレビ産業を例に挙げると、日本では今なおメーカー4社が消耗戦を展開し、シャープとパナソニックは巨額の赤字を抱えるに至った。お隣の韓国はメーカーを2社に集約させている。

 実際のところ、日本は海外投資と産業再編などによって活路を見いだそうとしている。最近では、三菱重工や今治造船などの五大造船会社が提携し、ブラジルの造船会社に300億円(約18億6900万元)を共同で出資するとともに、海底油田掘削船の共同開発・建造に乗り出した。これは日本の造船業界における過去最大規模の海外投資案件であり、国内の過剰な生産能力を移転させて新興国市場を開拓する取り組みの重要な一歩だ。家電の分野では、大手パナソニックがこのほど、本年度をもってプラズマテレビ用パネルの生産を停止し、最終的にはパネル工場を閉鎖・売却する意向であることを明らかにした。またパナソニックはかつてのライバル・ソニーと手を結び、高画質・省電力の有機ELテレビを開発して、市場のニーズによりよく応えようとしている。

 供給過剰を是正し、製品のイノベーションを加速するにはどうしたらよいか。日本企業が直視すべき問題はこれだ。同法案は法人税の優遇制度をうち出しており、企業の再編では新会社への出融資額の最大70%を損金に算入できるようになり、法人税が増えにくくなり、他社との統合で法人税の課税対象所得が増えるのを防ぐことができる。政府は主要産業の生産力の実態を調査して公表することを予定する。企業の新規事業の奨励をめぐり、同法案の規定では、特別措置が適用される「企業特区」を設立し、医療産業などの参入ルールを明確にし、国立大学法人によるベンチャーへの出資を特例で認めるとしている。

 産業競争力の強化は、安倍晋三首相がうち出した経済政策「アベノミクス」の成長戦略をめぐる重要な柱だ。金融緩和と公共投資の増加を受けて、ここ数カ月の日本経済はこれまでにない安定の兆しをみせている。だが日本経済が引き続き回復に向かうかどうかは、実体経済の振興と民間投資を喚起する市場環境の創出にかかっている。

 東京大学の伊藤隆俊教授によると、これからの12カ月間でアベノミクスの成否が決まる。最も重要なことは既得権をうち破り、構造改革を進めることで、労働力市場、農業、医療・保健、エネルギーの改革がカギを握る。労働力市場をみると、日本の労働力人口は2010-30年に現在の約18%に当たる1280万人が減少する見込みで、日本にとって子育てしやすい環境を整え、女性の就業を奨励することが今後の課題になる。

 農業について考えると、日本の農業はこれまでずっと政府の保護を受けてきたが、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)などの自由貿易交渉の進展を受けて、効率アップや非農業部門への開放・集約による高付加価値化を迫られている。医療は日本の優勢産業であるだけでなく、政府の社会保障費用や国民の生活の質の改善にもかかわりをもつ。安くて安定的に供給されるエネルギーは、日本の製造業の競争力を維持するための重要な要素だ。

 産業振興プランは日本では珍しいものではない。過去7年を振り返ると、政府は毎年のように新たな産業プランをうち出してきたが、その措置の多くは紙の上にとどまっていた。製造業のグローバル化が進む中で、政府主導の産業プランがどのような成果を挙げるか、検証にはしばらく時間がかかる。

 伊藤教授によると、産業のバージョンアップ戦略は新しい産業補助金政策にならないようにしなければならず、「ニンジンと棒」(あめとむち)を兼ね備えるのが理想的な産業政策だ。恩恵を与えるばかりでは、予算の悪化は避けられないからだ。これまでずっと保護を受けてきた産業や企業は、市場からの撤退を余儀なくされるという。

「人民網日本語版」2013年10月22日

推荐给朋友
  印刷 全文印刷