日本 特区建設で科学技術イノベーション推進
2013/06/25

 日本の安倍晋三首相はこのほど、経済成長戦略の第3弾を発表し、国家戦略特区の建設をうち出した。特区では税制優遇や規制緩和を認可し、世界の企業や人材を呼び込みたい考えだ。「人民日報」が伝えた。

 日本では以前から戦略特区建設が進められている。日本政府は科学技術イノベーションを推進するため、医療、新エネルギー、国際物流など飛躍する重点分野を選び、地方政府と協力して7つの国際戦略総合特区の建設に着手。特区では官民の協力や産学研の協力が奨励され、法律、財政、税制など各方面で特別な支援が与えられる。

 このほど、本紙の記者は神奈川県の横浜市と川崎市にある京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区を訪ねた。研究施設や企業が高度に集中する首都圏の強みを生かして、再生医療、ガン、生活習慣病、公共衛生、予防医学の研究を重点的に行い、薬品や医療機器の開発・製造を進めている。

 日本には厚みのある基礎研究力と技術開発力があるが、市場の規制が厳しいことや縦割りの行政管理体制が災いして、研究成果が臨床技術や薬品に速やかに転化することがかなわず、日本では医療機器と薬品の輸入が輸出を上回る。このような産学研間のギャップは「デスバレー」(死の谷)などと呼ばれている。

 日本は今年3月、内閣官房長官が主導する健康・医療戦略室の設置を明らかにし、政府や2012年のノーベル医学・生理学賞受賞による後押しを受けて、人工多能性幹細胞(iPS細胞)を代表とする再生医療の研究に最重点を置くとした。日本の経済産業省の試算によると、30年には日本の再生医療市場の規模は1兆6千億円(1ドルは約97.8円)に達するという。同戦略室の中垣英明次長は、「日本は世界に向け超高齢化社会が抱える問題のソリューションを提供していきたい」と話す。

 各特区の所在地の自治体の主な役割は、設備と情報の共有に向けた知識イノベーションプラットフォームをうち立てることだ。京浜特区にある横浜バイオ産業センター、横浜新技術創造館、産学公民連携研究センターなどの研究・インキュベーション施設は、すべての研究機関、企業、市民に開放されている。また特区には情報の発信を専門に行う機関もあり、産業や研究をめぐる最新の情報をタイムリーに生産者や研究者に発信している。

 「基礎研究と臨床現場との架け橋」と位置づけられる横浜市立大学先端医科学研究センターは、複数の学科による公共の研究プラットフォームだ。本紙の記者が取材する時、同センターはこのほど完成した研究棟に移ったばかりで、2階と3階にある共同研究支援部門にはゲノム解析室やプロテオーム解析室など7つの支援施設があり、世界最先端または世界で唯一とされる質量アナライザー8台を擁している。研究者には同大医学部の生物学部門の出身者が多く、専従のポストだけでなく、研究上の必要に応じて随時出入りすることができる。

 同センターの生体超分子相関科学の研究責任者・平野久教授によると、産学研の連携を促すため、同センターは資生堂などの企業4社の研究室を設立して、プロジェクト開発のそれぞれの特徴により柔軟に対応できるようにしている。また大学の付属病院とともに臨床試験支援管理室を設立し、実験室で生まれた新たな治療法や薬品の臨床への応用を担当するとともに、データの収集・評価を行っている。このほか、同センターのバイオバンクには1万点を超える病理組織の標本があり、センターの内外で行われる関連研究に必要に応じて提供されている。事務支援部門は特許など知的財産権に関わる管理を担当する。

 現在、同センターが進める研究プロジェクトには、臓器再生、腹腔鏡下手術の支援機器、家庭用超音波画像装置などの各プロジェクトがあり、研究チームのメンバーは大学、病院、企業など各方面から集まっている。平野教授が中心となったプロテオームの解析研究は10年間に及ぶ、日本の文部科学省先端融合領域イノベーション創出拠点の形成プログラムで科学研究費は数百億円に上る。研究成果はガンの個別化治療や精神薬、化粧品の開発に応用されることが可能だ。

「人民網日本語版」2013年6月25日

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