山形:「山形を世界的拠点に」 補正案に山大重粒子線がん研究費
2013/01/17

 山形大が医学部への設置を目指す重粒子線がん治療施設について、日本政府は研究開発費として約10億円を15日の臨時閣議で決定した2012年度補正予算案に計上した。これを受け結城章夫山形大学長は同日、山形新聞の取材に対し、待機電力を軽減する省エネ型の治療装置、東北一円から患者を集めるネットワークシステムの構築を進め、山形を重粒子線がん治療の世界的な拠点とする考えを示した。

 北海道、東北地区で初となる同施設は東北大、弘前大も誘致に動いていた。結城学長は今回の研究開発費の予算化で「山形大が最短距離に位置付けられた」と強調した。

 省エネ型の装置は重粒子線を照射しない時の電力供給を抑える仕組みで、電力が変動しても安定した磁場を発生する電磁石をメーカーや同大工学部(米沢市)と連携して開発する。東北一円から患者を集めるシステムは、各県のがん診療連携拠点病院などで組織する「東北がんネットワーク」を活用。画像などを相互交換できる情報通信網を整備し、遠隔地の患者を事前に診断、山形大を訪れた際は即時治療ができるようにする。

 結城学長は「重粒子線治療は日本が世界をリードしており、山形で開発した次世代型のシステムは海外への輸出も見据えている。施設を運営する海外医師らの育成を山形で担えれば、世界的な集積拠点になる」と語った。

 約150億円と見込まれる施設本体の予算について、結城学長は全額を国の予算で賄うのは困難との見方を示した上で「東北の経済界、行政機関で組織した推進協議会で企業、自治体からの資金支援を議論し、国の14年度予算の概算要求が始まる今年夏までに方向性をまとめたい」とした。

山形新聞2013年1月16日

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