中国市場を狙う日本の米 背景にTPP
2016/06/28

 日本メディアが伝えたところによると、日本はこのほど2016年から中国への米の輸出を全面的にスタートすることを決定したという。米の卸販売を手がける商社や業界団体計5カ所、すなわち東京の木徳神糧株式会社、北海道のホクレン農業協同組合連合会、神戸の神明ホールディング、横浜の千田みずほ株式会社、北海道(倶知安町)のショクレン北海道が、今年の夏以降、中国への輸出を開始する予定だ。「国際商報」が伝えた。

 対中米輸出を拡大する日本側の理由は、少子高齢化の進行により、日本国内の米の需要が減少を続けているため、おいしくて高品質の日本ブランド米を消費大国の中国に輸出することを決めたというものだ。日本側のデータをみると、確かに米の一人あたり消費量が減少を続けると同時に、食用米の在庫量が増加を続けている。

 また対中輸出を促したより深層レベルの原因として、環太平洋経済連携協定(TPP)の影響で、日本製品が深刻な打撃を受け、新たな位置づけや販売ルートを模索せざるを得なくなり、世界市場における高級農産品が最善の選択になったことが挙げられる。

▽高級路線への移行を迫られる日本農産品

 報道によると、木徳神糧は北海道の高級米「ゆめぴりか」5トンを輸出する。ホクレンは15トン前後を輸出するが、ブランドは輸出先の買い手と相談して決めるという。

 日本から中国への米の輸出量はこれまではずっと少なかったが、最近になって猛烈な勢いで増加している。日本側のデータをみると、14年の対中米輸出量は158トンで、前年比3.4%増加した。15年は600トンで、14年の約4倍になった。

 南開大学日本研究院の劉雲客員研究員は、「日本側が今年、対中米輸出を拡大しようとしているのは、表面的にみれば、今年に入り日本政府が大使館を通じて農産品の輸出を促進する一連の政策のキャンペーン活動を行ったことがきっかけだ。ここ数年、日本政府は農産品輸出を大変重視し、特に今年は農産輸出を重点事業に据えた。各国における農産品の輸出を推進することで、農業の産業としてのバージョンアップを促進したい考えで、中国もそのターゲット国の一つだ」と指摘する。なぜ米なのかといえば、「中国の消費者の間で最近は日本米の認知度が上がったことから、日本が中国により多くの米を輸出することを検討するようになったため」という。

 深層レベルでみると、対中米輸出拡大は日本のTPP加盟と関連がある。劉客員研究員はさらに踏み込んで、「国境を越えた貿易活動において、労働力コストの点で、日本の農産品が抱える主な問題は価格の高さだ。TPP交渉の重点の一つは日本の農産品市場の門戸を開放することだ。TPPの協定文はすでに調印されており、発効は時間の問題で、そうなれば日本の価格の高い農産品が打撃を受けることは避けられない。劉客員研究員は、「こうした動きが日本の外食産業や農産品に新たな位置づけの模索を迫り、日本が選択したのは『高級農業路線』だった。この路線が実際に体現するのは、農産品の生産における日本の優位性だ。日本政府は、優位性の向上を通じて、日本の農産品の国際貿易における位置づけを見いだし、輸出量を増やそうと考えている」と説明する。

 また劉客員研究員によると、「実績を作るために、日本の農産品の国際高級化路線を推進するのは、安倍内閣のここ数年の主要任務の一つでもあり、目立った成果を上げている。昨年の農産品輸出は大幅な増加を達成した」という。

 日本の農林水産省がまとめたデータによれば、15年の日本の農産品輸出額は61億5千万ドル(約6243億円)で前年比21.8%増加した。3年連続の増加で、過去最高も更新した。このうち米は2156万ドル(約21億9157万円)で同56.4%増加した。

▽中国米の品質も向上

 劉客員研究員は、「中国の農業にとって、日本の農産品がもつ優位性は超えられないものではない」との見方を示す。

 劉客員研究員はさらに話を進めて、「中国と日本の米を貿易という観点で考えると、将来は中国米も高級農業生産へ方向を転換するとみられ、今後の日本米の対中輸出の道のりは決して平坦とはいえない。興味深い例を挙げると、さきに日本で『飯炊き仙人』と呼ばれた村嶋孟さんが、中国の東北地域で最もおいしい米を見つけたため、老後を中国で過ごしたいと言っていることだ。ここから、中国の高品質の米が日本米に引けを取らないことがわかる。今後、中国農産品の質が向上するにつれて、日本農産品の優位性は弱まることになる」と説明する。

 劉客員研究員の見方では、「現在、中日両国の農産品貿易における最も主要な問題は貿易をめぐる不公平さだ」という。

 劉客員研究員は次のように指摘する。「国という観点で考えると、米の輸出は日本が一貫して主張してきたことだ。だが輸入では、日本がこれまでずっと採用してきたのは『輸入割当制』によって農産品の輸入を制限するというやり方だった。日本は今年、TPP交渉で中国産農産品の輸入割当を減らし、その分、米国産農産物の輸入割当を増やした。相対的にみて、中国の日本産農産品に対する輸入の制限は緩く、割当は多い」。

 11年に福島第一原子力発電所の放射能漏れ事故が発生すると、日本では消費者の多くが中国、タイ、ベトナムなどから輸入された野菜や穀物を選ぶようになった。だが劉客員研究員は、「日本が中国から輸入した米はすべて割当の範囲内で、価格は相対的に安く、主に酒造など農産品の加工に利用され、市場に出回ることはなかった。国家間の政策や経済貿易の関係を考えると、最も解決が必要なのは日本の米輸入の開放という問題だ」と指摘する。

「人民網日本語版」2016年6月28日

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